杜氏のこだわり

奄美大島にしかわ酒造は、奄美群島の一つ「徳之島」で真摯に焼酎造りに励んでおります。

黒瀬杜氏の薫陶を受けた若き杜氏が仕込む黒糖焼酎 ─────

焼酎造りは、常に五感を活用し、生き物を扱うような丁寧な管理を要します。数種の貯蔵容器を使い分け、珠玉の原酒に磨きをかけます。一本一本に真心を込め、手作業での出荷をしております。

工場写真

製造工程

黒糖焼酎は様々な工程を経て製品化されますが、その製造工程は、目的・役割ごとに大きく5つに分かれています。

01.製麹

麹とは、蒸した米に麹菌というコウジカビの胞子をふりかけて育てたもので、米のデンプン質をブドウ糖へ変える糖化の働きをします。この麹をつくる作業を「製麹(せいきく)」と言い、原料を糖化・溶解するための酵素と、醪を腐敗から守るためのクエン酸を精製することにその主眼が置かれます。麹の出来によって、焼酎の味が決まるとも言われる重要な工程です。

蒸米

原料米を浸漬し、洗米後は水分を切って蒸します。蒸米によって焼酎の品質に違いが出ると言われます。

芯がよく蒸され、表面がべとつかない蒸し上がりが最良。にしかわ酒造では、厳選した原料米を使用し、より焼酎に適した麹つくりを行っています。

製麹 蒸し器
製麹 米麹

製麹

蒸した米に麹菌を散布して 35〜40℃ を保ちます。40〜45時間で熟成し麹が出来ます。麹の出来は、酒質やアルコール収得率に大きく影響し、麹の種類によっても特徴の違う焼酎が仕上がります。

白麹 … スッキリとした軽快な味わい
黒麹 … 濃厚でコクがありしっかりとした味わい
黄麹 … 主に清酒用に使われ、フルーティーな味わい

02.酒母

焼酎造りにおいて酵母は麹によって分解されたブドウ糖を醗酵し、エチルアルコールを生成する役割を担います。この他にも味に影響を与える有機物、香りに関する高級アルコール類、吟醸香と言われるフルーツのような香りを出すエステル類を生成します。本格的な醗酵過程に入る前に、酵母を培養し大量に増殖させたものを酒母と言います。

酒母(一次醪)

一次仕込として、予め甕に水・酵母菌を入れ米麹を仕込みます。一次仕込の目的はアルコールを造ることではなく、健全な酵母菌を増やすことです。

高温になると、醗酵不良・酵母の死滅につながるので、最適な温度を保ち 5 〜 7日間醗酵させ「酒母(一次醪)」を造ります。

酒母(一次醪)
黒糖溶解

黒糖溶解

黒糖焼酎の主原料である黒糖は、25cm×15cm×5cmのブロック状が一般的ですが、冷水に溶けにくいことなどから蒸気や水を加えての煮沸により溶解・撹拌し、液状にした 黒糖溶解液を造ります。

次の工程では、出来た溶解液を醪と混ぜることで仕込みを行っていきますが、溶解液を加えた時、酵母にストレスが掛からないよう熱を冷まします。

03.発酵

一次仕込で 5 〜 7日間かけて発酵させた酒母(一次醪)に、溶解した黒糖を加え、酵母にとって最適な温度を保ちながら、約2週間かけて発酵させることにより、アルコールや味に影響する有機物・香味成分などを生成させます。

二次仕込・三次仕込

一度に全ての量の黒糖を仕込むと、醪中の糖濃度が高くなり、酵母にとってストレスとなるため、醗酵不良などを起こさないよう2回に分けて黒糖を仕込みます。

2回に分けて仕込むことで、酵母にストレスを感じさせず発酵が順調に進みます。

仕込みタンク
発酵 タンク内

発酵

高温になると発酵不良・酵母の死滅につながるので、醪の冷却や定期的な櫂入れにより、酵母にとって最適な温度を保ち、15日間かけて発酵させます。

04.蒸留

蒸留とは、液体を熱して気化させその気体を冷却して、再び液体にすることを言います。醗酵が終わり多くの成分を含んだ混合物である醪を熱して蒸発させ、冷却して液体にすることで沸点の違う不純物を取り除き、アルコールや香味成分などを濃縮させます。現在の焼酎造りでは、常圧蒸留と減圧蒸留という2つの製法が用いられ、その製法の違いによっても焼酎の味に大きな違いが生まれます。

常圧蒸留

常圧蒸留は古くから行われている伝統的な製法で、蒸留器内の気圧を操作することなく蒸留する方法。通常の気圧のもとで 90〜100℃の沸点で蒸留させます。高い沸点で蒸留するため生成された焼酎には多くの成分が抽出され、原料の風味が良く引き出された、個性的な味わいの焼酎ができる製法です。

蒸留器

減圧蒸留

減圧蒸留は500年とも言われる日本の焼酎の歴史において、40年ほど前に登場した、最近の手法とも言える製法です。標高の高い山などで100℃より低い温度で水が沸騰する原理を利用し、蒸留器内の気圧を下げ、40〜50℃といった低い沸点で蒸留させます。そのため、沸点の高い雑味成分を取り除きつつ、沸点の低いアルコールなどの成分を効率よく抽出でき、クリアでクセのない、飲みやすい焼酎が生まれます。

05.熟成

蒸留後の焼酎の原酒は、味や香りが荒々しく不純物や油成分も多く含まれているため、冷却濾過を行い不要な成分を取り除きます。さらにステンレスのタンクや素焼きの甕などの貯蔵容器に入れて熟成させ、味や香りを落ち着かせ、酒質を安定させます。熟成の期間は商品によって様々です。

タンク貯蔵

ステンレスやホーロー製のタンクが一般的で、他のタンクで貯蔵するより容器のにおいが移りにくく、品質を一定に保つことができるというメリットがあります。

貯蔵タンク(ステンレス)
甕壺

甕壺貯蔵

素焼きの甕壺には小さな気孔が無数にあり、外気との呼吸を行うことにより焼酎の熟成が進み、まろやかで個性のある風味を持たせることが出来るといわれています。その他にも遠赤外線効果や、甕から溶け出す無機物の触媒効果によって熟成が促進される効果も期待できます。

熟成された原酒は、以下の工程を経て出荷されます。
割水 … 原酒に水を加え、味・アルコール度数を調整。
濾過 … 割水した焼酎から不純物・油分の除去をする。
瓶詰め… 焼酎を瓶やパックなどの容器に詰める。